2025年の総括

会食で振り返る2025年

2025年も終わろうとしています。今年も、本当に大きな変化があった年でした。

 

薬局関連では、「調剤業務の一部外部委託」というテーマについて、昨年の大阪・国家戦略特区での実証事業を踏まえて、5月に改正医薬品医療機器等法の中に盛り込まれました。

 

最初に内閣府の規制改革推進会議で口火を切った(?)のが2021年4月でしたから、4年で法改正に至ったということになります。ご支援、ご指導いただいている皆様のご尽力の賜物です。来年度にはいよいよ施行されますが、良い制度として活用していただけるようがんばります。

 

また、病院では、2015年から取り組んできた組織改革が、関西生産性本部から「関西経営品質賞ゴールド」として表彰していただきました。それもあってか、病院関連での取材をいくつかいただくようになり、講演や執筆のご依頼もいただいております。さらなる飛躍を目指したいと思います。

 

さらに、個人的には久しぶりにお目に係る方々に、「先生、ごっつくなってませんか?」と言われることが多くなりました。週に2回のジム通いは、完全に生活に定着したと思いますが、なんだか一定の成果が出ているのかも知れません。

 

そんなこんなですが、恒例となりつつある(まだ3年目)年末の会食レビュー。今年も行ってみましょう、


1月:10ヶ月後の伏線となった焼き鳥@大阪

いろんな方々と会食をするのは、単にご飯を食べましょうというだけではないです。

 

お酒も入るので、何かを決めるということはないのですが、その人となりを知るとか、昼間は聞けなかった話を聞くとか、まぁ、いわゆるひとつの大人の手法の一つなんだと思います。

 

この日は、15年来の盟友が、「狭間さん、ちょっと会ってやって欲しい人がいるんよ」ということで、大阪・北新地のお店を押さえて訪問。

 

その方が、確かワイン好きだったよなということで、良い感じの焼き鳥で、結構良い感じのワインが出てくる店でした。

 

関西の夕方の顔的なキャリアの方でしたが、転身されたいということで、医療に関するお話の情報交換ということは、行ってからわかりました。よくありますよね。

 

いつもは画面で見ている方だったので、一緒に焼き鳥を頂くのはちょっと戸惑いましたが、頭脳明晰、言語明瞭、眉目秀麗とはこのことかというやりとりは、楽しかったです。

 

この夜のできごとが、10ヶ月後に、大きな出来事につながり、あぁ、この夜は、そのための伏線だったのか、と腑に落ちた次第。


2月:お上品な天ぷら@京都

調剤業務の一部外部委託というテーマは、薬局運営会社だけで実現することは不可能だと思ってきました。

 

そのため、今や一般社団法人化しましたが、薬局事業に関わる多業種が参加できるプラットフォームとして、薬局DX推進コンソーシアムを組織。これは、私のこの10年んでの最大ヒットの一つだと思います。

 

そのメンバーで、京都に本社がある老舗機械メーカーさんが、京都の重鎮のドクターをご紹介いただいたついでに、ご相伴にあずかる感じで訪問した老舗の名店。

 

店の作りから、料理から、大阪とはだいぶ違う感じは、とても興味深く楽しかったです。

 

ここでの色々なお話やご縁もあり、調剤業務の一部外部委託という大きなテーマを進める際のキーになる要素が整っていくのだなと思いました。

 

終了後は、意外に早く終わったので、京都で学生をしていた長女とお茶してから、電車に揺られて帰りました。


3月:国家試験合格祝い@京都

会食の多くは、仕事がらみですが、中にはプライベートのものもあります。そんな数少ない(!?)機会の一つが、長女の国家試験合格祝いでした。

 

京都で学生生活を送ったこともあり、私の母が孫のためにと奮発して、超老舗の料亭を予約してくれました。東京でSEをしている長男も駆けつけて、ちょっと賑やかな感じの会食になりました。

 

かなり広い部屋を用意して頂き、なんだか、申し訳ないような感じでしたが、出てくる料理は、これまた素晴らしいものばかり。聞けばミシュランとか。そうですよね、そりゃ。

 

昔、とある本で、人生は、親に育てられる時期、子どもを育てる時期、そして、それが終わればいよいよ自分で生きる時期が来るんだというようなことを読んだことがあります。長女もいよいよ社会人になるので、僕の人生もあと1/3的な感じですね。

 

ところで、この店で驚いたのは、女将さんは、本当に京都の方という感じでしたが、お部屋付きの仲居さんが少しエキゾチックなお顔立ちだなと思ったら、インドの方でした。

 

日本語もお上手で何も困らなかったのですが、おそらく、海外のお客様も多いでしょうから、ある意味ニーズには合致しているのだろうと思いました。

 

患者さんに信頼される良いお医者さんになってね。


4月:ご褒美のうなぎランチ@東京

国家戦略特区で取り組んだ「調剤業務の一部外部委託」は、医薬品医療機器等法改正に盛り込まれることになりました。その法改正に向けた議論が進み、いよいよ終盤にさしかかってきたころ、これまた不思議なご縁で「先生、衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出ませんか?」というご連絡をいただきました。

 

まぁ、国会の中で発言するなんて珍しいですから、直前に近い日程でしたが、都合をつけて、おうかがいすることとしました。

 

国会の見学は二度ほどいったことがありますが、「あ、ここテレビでみたことある」的な部屋で、自分の考えを述べることができたのは、貴重な経験でした。

終わって、うちの事務局長と「お腹すいたね」ということで、ちょうどランチ時のレストラン街に突入。どのお店も混んでいましたが、偶然、空いていた(高いからかな)鰻屋さんに突撃。

ご褒美だよね…なんていいながら、いただいた鰻は、大変美味しゅうございました。


5月:すぐには実らないかも知れなくても…@東京

何事もそうですが、エスタブリッシュされた業界で何か変革をしていこうとか、ちょっと従来と異なる動きをしようとしたときには、必ず摩擦が生じます。

 

摩擦を恐れていては何も進みません。また、その摩擦があるからこそ、物事は進歩していく、より良いものになっていくということはあるのだろうと思います。

 

摩擦を起こすのも、物事を進むのも、人です。人にはそれぞれ、生い立ちがあり、考え方があり、正義が有り、事情があります。背負っているものも、それぞれです。

 

それに全く配慮せずに、物事を進めることは、結果的に上手くいかないんじゃないか…。そんなことをこの1−2年感じるようになってきました。

 

この日は、いつものアレとは全く違う内容で、一度ご飯でも食べますかということになり、セッティング。お店は東京のメンバーに押さえて頂きました。

 

色々なお話をしやすい立地に、しやすい個室。出てくるお料理も、美味しくお酒も進み、色々なことを聞けました。私以外は初対面のこともあり、ちょっとぎくしゃくはしましたが…。

 

まぁ、いつかどこかで回収する伏線になるんでしょう!


6月:大学医局の同期会@淡路島

私が大学を卒業し医師になったのは平成7年。文字通り、右も左もわからない中で、一緒に奮闘した同期はやはり特別になります。

 

当時から、特別になるんだろうな、と思ってきましたが、今年で30年経過してみると、本当に、その特別感は大きくなってきました。

 

コロナでちょっと止まっていましたが、年に1回ぐらいは、泊まりで会おうよ的な感じで、東京からのメンバーも集まりました。

 

宿は、メンバーの一人がいわゆる一つの民泊的なところを取ってくれました。お風呂は、近くの洲本温泉の湯元となっているホテルを、1回1500円程度で使わせてくれるので、そちらに行きました。

 

ひとっ風呂浴びたあと、今は淡路島で耳鼻咽喉科で開業している先生の口利きで、予約がとれないお寿司屋さんの席を押さえてもらい訪問。確か、2回目かな。

 

今朝取れたよ、的なハモを、目の前でさばいて頂くわけですが、さすがに新鮮で美味しかったです。料亭で上品にいただくハモとは、店のしつらえや大将の雰囲気もかなり趣が違いましたが…!

 

気がついたのは、みんな50代半ばに入り、それぞれ偉くなっていることでした。僕もがんばらなきゃ!


7月:不思議なご縁が繋がる夜@札幌

薬剤師は患者に薬を渡したあとまでフォローし、バイタルサインを採取し、そこで得られた薬学的アセスメントを医師にフィードバックすべき、的なことを話初めて、15年が経ちます。最初のバイタルサイン云々というのは、「薬剤師は患者の身体に触れてはならない」的な都市伝説が広く固く信じられていた時代ですから、なかなかにセンセーショナルでした。

 

ただ、そういう話がいくつかの大学の先生の目にとまり、学生さん向けの講義をさせていただくようになり、そのうちのいくつかは、客員教授とか、臨床教授とか、特任教授といった称号をいただくことも出てきました。本当にありがたいですし、年取ったということでしょうね。

 

そんな一つの大学が北海道にあり、年に1回、学生さんの講義に伺っています。学生さんの眠たそうな目に、ぱーっと光がともっていくような瞬間は、講義をしていると時々あります。私が届けられることは、まだまだあるな、と思う瞬間でもあります。

 

終わったあとは、いつも、色々と段取りして下さる先生行きつけのイタリアンに、大学で教員をされている方とご一緒にお伺いしました。何年かぶりにご挨拶させていただく先生もいらっしゃって、楽しくお話しながら、ススキノの夜は更けていきました。


8月:業界のレジェンドとの差し飲み@大阪

調剤薬局と呼ばれる業界は、国策として市場の拡大が図られたこともあり、特殊な成長を遂げてきました。

 

そんな業界を1から作ってこられた伝説的な社長さんが、何名かいらっしゃいます。全国規模のチェーンを作られたかもいらっしゃれば、地域で確固たる地位を築かれた方もいらっしゃいます。

 

そんな中のお一人が、「一度、ご飯でも食べましょうよ。私、あなたに興味あるわ」的なお誘いをいただいたのが、もう2年ぐらい前でしょうか。それから、年に3−4回ぐらいご一緒しています。

 

今は、訳あって業界を離れられていますが、業界に対する深い洞察力と、現在の業界に対するご意見は参考になりますし、「ところで…」と前置きして投げかけられる質問にドキッとすることもあり、あっという間に3時間近くが経ってしまいます。

 

このお店を紹介してくれたのは、元料理人で、薬剤師になり、薬局チェーンを作ったあと、今はまた、関連業界に転身しているという方。その方のおすすめの店はどこも美味しいですが、ここもその一つです。


9月:こんなことあるんか的な会@大阪

もう5−6年前からになりますが、SNSで私の写真が悪用されているケースがあります。詐欺に関連したもののようで、それぞれの運営側には見つけたら報告しているのですが、数もすさまじくて、キリがなく、いたちごっこです。

 

Instagramでも、同様のアカウントが出来たみたいで、有るときに長文の英語メールが私に送られてきました。読んでみると、「あんたの写真、使われてるで!危険やで!気ぃつけや!」的なないようでした。数日して、また、「緊急警報!」的なメールが股来たので、だからぁ、という感じで、ChatoGPTで返事を書いて、

「ご忠告、ありがとう。色々やってるけど、いたちごっこやねん。お気を付けて。Bye!」的な返事をしているうちに、なんだか一杯メールやInstagramのMessenngerが来るようになり…なんだか、大阪万博私も行くことになったんやけど、お土産持って行くから、どこに行ったら良いか教えてくれ、みたいな展開に。

 

せっかくやったら、大阪でご飯食べますか?と串カツ予約してたら、文字通り山のようなお土産持ってきはりました。お店の人に、ちょっと早めについて経緯をしゃべってたら、国旗を用意してくれました…。まぁ、よくしゃべる陽気なマレーシアのおばちゃんでした。こんなこと、あるんやねぇ。


10月:こんなタイミングで、こんなところで…@東京

今年は総理大臣が替わった年でした。大阪人としては、ときどき大阪弁で、ドスを利かせたり、かわいらしく言いにくいことを言う的な感じは嫌いじゃないです。

 

それはさておき、まさに、その当日が、数ヶ月前から決めていた会食の日と重なりました。場所も永田町で、物々しいわけではないですが、なんとなくイベントが終わった…的な感じが漂っていました。

 

そんな場所で、そんな時だったので、自然とお話は政治の話になりました。薬がどうとか、薬局がどうというテーマがメインではなかったのですが、やはり、医療をどうするかということについては、政治との関連は切っても切れないわけで…。

 

お酒も進むにつれて、いろんなお話が出てきて楽しかったです。こういうのも含めて、私は運と縁って本当に大事だなと思います。いわば、タイミングと人とのつながり。これがなかったら、今の自分とは全く違う自分がいたんだろうな、と思うとちょっと怖くなります。

 

人生、なかなか思い通りにはならないように感じるけれども、ふと振り返ると意外にまっすぐ来ていることがわかる、ということを本で読んだことがあります。今、薬局を経営しながら病院も経営し、医者をしながら講演もし、色々な行政の方々ともご一緒している立場から振り返ると、まさに、そんな感じがしますし、その時々に思い出深い会食があるんだなと思います。


11月:行くと決めなきゃ行けないね@久米島

私が主宰している薬局経営のオンラインサロンに、もっとも早くから参加もして頂いている沖縄は久米島で薬局をしている社長さんがいらっしゃいます。

 

弊社の薬局も見学にいらっしゃいましたし、大阪や東京の学会や展示会にもいらっしゃっていただくので、いつかは私もいかなくては、と思っているうちにコロナに突入、ついつい行きそびれていたのですが、7月の学会でお目にかかって、もう、日を決めましょうと決めて、訪問しました。

 

久米島は、沖縄本島から飛行機で35分程度のところにある人口6600名あまりの離島です。そこでの医療、介護をどうするのか。高齢化が高くなっている今、薬局や薬剤師が果たすべき役割も大きいし、従来の枠組みに固執しない、柔軟な考え方も求められるのだろうなと思いました。

 

2泊したのですが、沖縄・久米島の料理をいくつもごちそうになりました。スダチ?かぼす?ときいたら、シークヮーサーと言われました。そりゃそうですよね。


12月:いよいよそのシーズンかと感じる会@福島

薬局も病院もそうですが、二年に1回行われる診療報酬改定が経営に極めて大きな影響を及ぼします。

 

この報酬改定がどんな風になるのか、薬局経営者としては興味津々、ある意味では、戦々恐々なわけですが、ありがたいことにお声がけをいただきます。季節労働者的に、いろんなところでお話しますし、最近はウェブセミナーも多いです。

 

もう7−8年前に呼んで下さった先生が、コロナも明けたし、どうですか!?と2年前にお声がけいただいていたのですが、今年も春先にご依頼頂き、真夏の久米島から、初雪の福島へ行ってきました。日本って長いですね。

 

終わったあと、地元の薬剤師会のメンバーと郷土料理のお店につれていっていただきごちそうになりました。みなさん、変わらないと行けないとおもってきたけど、いよいよホントに変わらないと行けない…。でも、不安という反応が多かったです。来年は4月頃までは、このテーマでの講演が増える時期になります。


2025年も、いろんなところで、いろんな方と、いろんなお食事をいただきました。年の終わりに色々と写真を振り返っていたのですが、「あれから、まだ、1年も経ってないのか!?」的な感じがしました。まじで、痩せないとだめです。来年は、控えます。なるべく。なるべく!

今年も1年、ありがとうございました。

皆様、どうぞ、よいお年をお迎えください。

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コメント: 1
  • #1

    Aki Yamashiro (水曜日, 31 12月 2025 14:45)

    11月に久米島の登場嬉しいです。ひとりでガッツポーズ�しました。ありがとうございます。
    狭間先生が来島して、じわじわと周りの意識も変わり、良い変化を体感しています。
    私も狭間先生と話し出来た事で、自分の中の目標や役割が整理されてきたと思います。私にとって学び多きライフチェンジに近い衝撃がありました。きっと薬局の仲間も同じ気持ちなのかなあと思います。
    ご縁そしてタイミングにも感謝しております。
    これからもご指導の程宜しくお願い致します。

    おかげ様で、今年も良い感じで終われると思います。大変お世話になりました。

    狭間先生が久米島で講演された日がスタートだったと言えるように来年も頑張ります。

    2026も宜しくお願いします。�‍♀️

    良い新年をお迎え下さい。�