今年1年を振り返る

狭間研至的2020年10大ニュース

2020年という年は、新型コロナウイルス感染症が拡大し、パンデミックとなり、世界は大混乱に陥った的に、教科書に必ず載るんでしょうね。

 

本当に色々とあった1年でした。まさに、歴史的な1年を私たちは過ごしてきたのかも知れません。

 

社会としての振り返りは、色々なところでまとめていただくとして、私個人は、薬局経営はもとより、病院での活動、さらには、個人的なできごとなど、ごちゃ混ぜで起こっておりました。

 

別に頼まれていませんが、写真とともに、振り返ってみたいと思います。よろしければ、お付き合い下さい。

1.期せずしてzoomerになった

本当に有り難い話なんですが、本当に、全国からお声がけをいただき講演やセミナーにおうかがいしていました。

その数、だいたい、年間120回前後は行っていたでしょうか。

それが、3月以後、パタリと無くなりました。

しかし、5月ごろからは、オンライン化が一気に進み、今まで触ったこともなかったzoomを毎日のように扱うようになりました。会社の一角に専用のスペースを作り、「ハザマスタジオ(ハザスタ)」と名付けて、配信への準備を整えたこともあり、一気に、zoomer(?)と化しました。

様々なセミナーや講演会、さらには、7月に長崎で開催予定だった日本在宅薬学会の学術大会も、オンラインで開催しました。

移動時間が無くなり、結局、飛行機にも乗れませんでした。

 

2.診療活動への復帰

思温病院という病院へ赴任して6年目に入りました。

 

私自身も、6年前は、薬局でパートナー制度を導入する前後のころで、薬局自体も大変混乱をしていた時期でした。訪問診療は、日中になんとかおこなうことが出来ていたのですが、病院となると、ずいぶん状況は異なります。

 

当初は、診療そのものは現場のドクターがやっていらっしゃるので、主には管理的な仕事ということで入ったのですが、やはり、病院そのもののやり替えということで、色々なことに手を付けることになりました。

 

その結果、十分に予想出来たことではありますが、ドクターの数も少なくなり、自分でも受け持ちをすることになりました。大学病院にいた頃からは、10年が経っていて、なんだか昔取った杵柄的な感じはありましたが、それでも、色々な手技や処置になると、やはり、タイムラグがあるのはよろしくありません。

 

色々な先生に、少しずつ、研修医のように教えてもらいながら診療に復帰していきました。中枢ルートとったり、挿管したり、CPRしたり、時には、外来での縫合処置だけでなく、手術に入って閉創だけしたりと。老眼鏡にしておいて良かったという瞬間もありますが、外科の修練を受けた医師としての診療の幅を広げるきっかけができた1年でした。

3.外科医の恩師の参画

私が外科医を志したのは、医学部時代に「第一外科の松田暉先生は、めちゃくちゃかっこええぞ」という話をボート部の先輩に度々聞かされたことも大きかったのです。入局後、色々とご指導をいただきながら、期せずして10年経ったころに、留学の予定を取りやめて、薬局を継ぐということで、大変ご迷惑をかけました。

後に兵庫医療大学の初代学長になられるご縁で、薬学部の講義を持たせて頂き、日本在宅薬学会の顧問もお願いするなど、お世話になっておりました。

その後、医局の同窓会や、大阪の心不全連携の会で何度かお目にかかっていたのですが、突然に、当院の特別顧問としてお越し頂けることになりました。

思温病院のレベルアップはもとより、院長かくあるべしというご指導をいただけるようになった驚愕の1年でした。

来年は、病院の質を高めたいと思います。

4. 月間100km走り、筋トレ、節酒したら、体重が減った

以前から、走ったり、プライベートジム行ったりしていたのですが、今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で出張や外食が減ったことで、走るタイミングが増えました。

 

また、病院が超絶ゴタゴタしていたときに、少し休まざるを得なく成っていたプライベートジムを再開。同時に、幽霊会員になっていた24Hジムも、奇跡的に自宅の寄り近くにフランチャイズ店が出来たため、ラン→神社→ジム→ランというコースで週末や休日を中心に、朝は2時間ほど運動をするようになりました。

 

さらに、今年の1月4日の、日本在宅薬学会の福岡での恒例年始セミナーのあと、3次会まで行って屋台でハイボール飲んだのを終わりに、一回お酒止めてみようということで、なつすぎまでは、完全にお酒を止めました。

会食が減ったのも大きかったのかも知れませんが、体重が少しずつ減り始めました。

 

走る回数や距離は長くなりました。ただ、筋トレや走りすぎの影響か、股関節や大腿部に痛みが出たり、足が異様に重かったりして、タイムは遅くなりました。それがいいことなのかどうか、わかりませんが、とにかく1回走ると10kmは走らないと、なんとなく、走ったなという感覚にならないようになってしまいました。

 

実は、昔から走るのはイヤで、高校生の時の1500m走とかは文字通り地獄で、運動で惹起される喘息のような症状まで出でる始末でした。

大学でボート部に入っても、なんとか走らずに済む方法はないかと考えてばかりいました。結局、走っていましたが。

 

今は、時々お酒もいただきますし、完全な糖質制限をしているわけではありませんが、週に2ー3回は2時間ー3時間ずつ運動をすることで、体重は減り、捨てようかと思っていたスーツを捨てずに済んでよかったです。

 

来年は、走るスピードを上げて、ちょいムチマッチョを目指したいです。

5.オンラインでの情報発信が立ち上がった

以前から、情報発信はしたいと考え、このブログを描いたり、AllAboutガイドに登録したりしていました。

ただ、もう少し系統的にということで、オンラインサロンを立ち上げたのが昨年の10月。そこから、1年余りで、おかげさまで沢山の薬局経営者の方とご一緒に情報をやりとりするプラットフォームができました。

さらに、調剤報酬改定が決まった3月ごろ、10年ぐらい放置していたYoutubeチャンネルをやり直し、8ヶ月で、登録者数が20倍になりました。これからも、がんばります。

6.薬局3.0ビジネスが軌道に乗りはじめる

2001年に、初めて実家の「調剤薬局」を見に帰ったころは、当社は本当に普通の調剤薬局でしたが、それでも4店舗を運営していました。リスクマネジメントや、POSでの薬歴記載など、薬を渡すまでの部分をどうするのかということをやっていけば、まぁなんとかなるのかな、と思ってやっていました。しかし、それでは、社会貢献性とスタッフのやりがいを達成することは難しいと思いましたし、何より、場所取り合戦では、大手企業に対して勝ち目はありません。

 

そこで、薬局3.0という考え方を2006年にまとめ、それを実際の現場に少しずつ出し始めました。しかし、まぁ、結果は惨憺たるもので、社員には負担がかかりすぎますし、ビジネスとしても上手くいかない。一体、誰得?の事業を展開するイケてない中小薬局のおじさんになりました。しかし、2014年頃からパートナー制度を発案し、現場に導入していきました。それとともに、スタッフの採用・教育・定着を図る仕組みを出来ることから入れ初め、営業活動も広げていきました。結果的に、今年は、薬局3.0というビジネスモデルが軌道に乗ったことを実感しています。

 

このこともあってか、様々な会社さんと、コラボレーションさせて頂く機会が出たり(写真は、HYUGA PRIMARY CAREの黒木社長)、銀行さんとも色々な話ができるようになりました。中小企業の社長として、10年余りかかりましたが、少し一段落した1年でした。

7.病院運営の安定化

病院の方向性を決めたのは決めていたのですが、それを具現化するためには、やはり、人と仕組の問題を解決しなくてはなりません。

 

自分が医師としての活動を広げたのは、振り返ってみれば、やはり、病院の方向性を具現化するためには、不可欠だったのかも知れません。薬局の経営をしながら、病院の業務にどこまで入るのかというのは、今も悩ましい問題ではありますが、なんとなく一定の方向性は見えてきたように思います。

 

病床稼働率が90%を越える病院運営とは、自転車に乗れるようになるものだと思いますが、なんどか転びながらも、なんとか乗れ始めたと実感しているのが今年だったと思います。

来年は、盤石な体制作りへの1年としたいです。

8.新著の執筆

有り難いお話なのですが、執筆のご依頼をいただくことがしばしばあります。ただ、この数年は、病院のこと、薬局のことなど、本当にめまぐるしくて、単発の原稿やちょっとした連載記事などは担当させていただくのですが、それ以上となると、どうしても難しかったのです。

 

しかし、コロナによって講演が無くなり、移動時間がほとんどゼロになりました。現金なもので、移動がないと時間もできて体力も温存できます。

 

それでは、とコロナで何が起こっているのかということを小冊子風にまとめておいたのですが、偶然、新書シリーズを出すので書かないかというオファーをいただきました。

 

骨格的なものはおおよそできていたこともあり、なんとか、いただいた期限内には入稿でき、結果的に予定通りのスケジュールで出版させていたくことができました。

 

おかげさまでご好評をいただいておりますが、執筆から半年たった今、自分で読み返してみても、やはりそうだな、と思うところがあります。

 

来年は、今まで出版させて頂いた本の改定版など、数年越しでご依頼をいただきながら完成していないものについて、トライしたいと思います。

9.子どもの運転する車に乗る

二人の子どもたちは、ともにすでに運転免許はとっていたのですが、最近の子らしく、車なんかあんまり乗らないけど…ということで、そうかぁと流していました。

 

ただ、今年は長男の就職が決まり、長女も二十歳になり一人暮らしを始めた今年。長男は、いよいよ東京で社会人生活を始めるし、長女もいずれ、働くにあたっては車は絶対にいるのでということで、もう1台、用意しました。

 

私も、大学に入って免許を取ったときに、両親に発売されてすぐのセフィーロ(食う、寝る、遊ぶというキャッチコピーのヤツです)を買ってもらいました。本当にうれしかったです。その恩送りができたかなとも思います。

 

で、練習しようということで、二人の運転の練習に秋頃は何度か付き合いました。チャイルドシートに乗っけていた二人に、まだ付き添いとは言え、乗っけてもらうというのは、なんとも感慨深いものがありました。

極めて個人的ですが、10大ニュースの1つです。

10. 服用後のフォローが改正薬機法で義務化される

薬剤師は薬をお渡しするまでが仕事ではなく、きちんと効果が出るところまでサポートするのが仕事のはず。そんなことを思って、薬局をやってきました。

 

これが、薬局3.0のキモの部分でありますが、これは、人の身体に触れてはならない、渡すまでが仕事のはず、立地を抑えて渡しておけば儲かる、という常識に反するものでした。

 

しかし、それが、法律になった。現場が変わるのはこれからですが、個人的には最も印象的なできごとであります。

以上、薬局、病院、個人、とりまぜて振り返ってみましたが、なかなかに濃い、充実した1年だったなと思います。

これは、決して私一人で達成できるものではありません。

私と一緒に仕事をしてくれるスタッフ、そして、薬局、病院でスタッフが関わらせて頂く、他の会社や医療機関、介護施設等の皆様、そして、何より、ハザマ薬局や思温病院をご利用頂く患者様、お客様、利用者様があってのことです。

また、色々な気づきをいただいたり、ご指導をいただく全ての皆様のおかげだと、心から感謝の気持ちで一杯です。

2年ぐらい前から、出勤の際には、事務所近くの大阪天満宮に毎朝お参りをしています。感謝の気持ちを改めて確認する時間は、大切だなと実感しています。

来年は、医師としての立ち位置を確認しながら、新しい医療環境の創造に向けて頑張りたいと思います。

皆様、今年1年、ありがとうございました。来年も、どうぞよろしくお願いします!