おじさんの3つの特徴

そうか、そういうことなのか

おじさん。物心ついた時から、いつも身近にいた。

血縁関係のおじさんではなくて、いわゆる、おじさん。

電車に乗っても、お店にいっても、歩いていても、どこにいても

とにかく、おじさんはいた。

そんなおじさんの特徴は3つあった。

1.独特のニオイがする。

今は、加齢臭とかいうけど、昔は、おじさんのニオイだった。

タバコとヘアトニックと汗と何か(これがノネナールだった?)が入り交じった複雑なニオイは、おじさんが近くにいるんだな、と思ったものだ。

2.近頃の若い者はという。

それぞれの世代で、これ、面白いなと思うコトをやっていたら、直接的にせよ、間接的にせよ、お小言や皮肉を言われるのもおじさんだった。盛り上がった雰囲気が微妙になるとき、おじさんだな、と思ったものだ。

3.独自の体操をする。

ふとしたときに、身体をかがめてみたり、がに股の屈伸をしてみたり、首をぐるぐる回してみたり。そんな体操、学校では習わなかったという体操を信号待ちにしている人を見るとき、おじさんがいるなと思ったものだ。

 

僕は、最近、色々な場所で、自分が一番年上じゃないかと思う場面が続いて、ショックを受けていた。特に製薬会社の方で、肩書きがすごくて、年上に違いないと思ってしゃべっていたら、だいたい年下で、衝撃を受けたことは一度や二度ではなかった。最近では慣れてしまったけど。

51歳になって、正真正銘、押しも押されぬおじさんになった。

でも、僕が色々と感じてきたようなことにはならないようにと気をつけている。

毎日、お風呂に入るのは昔からだけど、きちんと襟元、耳の後ろを洗うようになった。しかも、3回も。八重洲のスーパーホテルの大浴場で、シャワーを目をつぶって浴びながら、耳の後ろを猛然とこすっているおじさんがいたら、それはきっと僕だ。

最近の若い人は、本当にすごい、と思うコトはよくある。若いなと思う振る舞いが、自分の価値観に合わない時にそういってしまいがちなのだと思う。ただ、それは、自分がその年代の時に、したくてもできなかったことに、易々と挑戦していることへのジェラシーなのかも知れない。いつだって、最近の若い者はって、言われるものだ。最近の若い者は…と一呼吸置いてから、素晴らしいよね、と言っているおじさんがいれば、それはきっと僕だ。

 

でもね、時に奇声を発しながら、独自に編み出した体操するのは、止められないんだなぁ。