90日の魔力

まさに、時代は激変している

なんとなくうすうすとは感づいていたものの、

薬局の社長になることになった2004年ごろ。

 

医師としては10年目を迎えて、ある程度のことはできるように

なっていましたが、社長なんて、やったこともないし、そもそも

商売とか採算とか、儲かるとか儲からないとか考えたことがなかった

私は、手当たり次第に本を読みまくっていました。

 

そんな中、はまったのが、神田昌典さんの一連の著作でした。

口コミ伝染病からはじまり、非常識な成功法則などもありましたが

中でも、インパクトがあったのが、この本です。

 

ビジネス書のコーナーで、ショッキングピンクというのは、まさに

度肝を抜かれる目立ち方でしたし、この「あんた、儲かるで!」的な

直接的なキャッチコピーは、レジに持って行きにくい感じすら

あった本です。

 

中身は、本当に勇気づけられるもので、私のこの15年の社長生活の

基本は、この本にあったといっても過言ではないと思います。

その一方で、90日というのは、一体どんなものかなと考えてきました。季節一つ分ですよね。春なら春、夏なら夏。長いようで、あっという間のような期間が90日ですが、基本的には、そんな短期間で、会社が変わるなら、苦労しないよ、的な印象はずっとあったように思います。

 

今年の1月4日に、さしたる思いつきもなく、お酒を止めてみようかな、と思った時も、なんとなくこのピンク本のことも思い出しながら、90日はお酒を飲まずに過ごしてみようと思いました。

 

1月25日には、ハザBarと題してオンラインサロンのオフ会を東京で開催しました(写真)が、そのときもBarとして主催しておきながら、ノンアルコールで通すという暴挙を許していただきました。今もノンアルコールは基本継続中ですが、変わったことは、やはり色々とあると思いますし、お酒を飲んでいたころが、遙か昔のことのようにすら、思えます。

 

90日と神田さんが区切ったのは、すごいことだと改めて。

一方、薬局に限らず医療全体、さらには、この国はこの90日、どうですかね。まさに、別物みたいになってきました。

 

2月16日の名古屋での研究会では、こんな感じでした。
1月25日のオフ会もそうですが、今で言う、三密の嵐

だったように思います。

 

今まで良かれと思ってきたことが逆になる。

なんとなく行ってきたことを見直すことになる。

固定概念に縛られない取り組み方が求められる。

ということを、私たちは日々実感しているのだと思います。

医療の現場でいうと、電話等での診療が初診を含めて認められたり、電話等での服薬指導も推奨されるようになったり、医師がOTC薬の使用を推奨するイメージが提示されたりと、本当に価値観が激変しています。パラダイムシフトですね。

それと独自に、気をつけたいというか、注意しておきたいのは、90日という期間の魔力です。

この90日間で、社会は激変しました。まさか、こんなことになるとは、思っていなかったというのが、私を含めて、ほとんどの方の感想ではないかと思います。その変化について行くために、毎日の何かをこなしていくのですが、それと同時に、考えておきたいのは、90日後は、どうなっているんだろうか、ということです。

 

そうです、今から90日後、7月の終わり頃には、90日前と今との激変に勝るとも劣らない変化が起こっていると考えるのは、極めて妥当なことではないかと思います。

 

三密を避けるのであれば、三密がビジネスのバリューであったビジネスモデルは、いったんはあきらめざるを得ません。

その一方で、今までは三密が可能であったからこそ存在した規制は変わっていくでしょうし、三密が行えなくなったからこそ次善的な方法としてのコミュニケーションの取り方や売買、体験の伝播が、勃興してくるのではないかと思うのです。

 

90日の魔力を実感しながら、恐れすぎず、できればそのパワーを最大限に活用して、新しい社会を切り開いていくことが求められると思います。