山口にはいかずに…

26年ぶりに吹きました

 実は、今回の日薬の学術大会は、参加できなかったのですが、その顛末を備忘録的に書きたいと思います。

 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、大学時代、ボート部と軽音楽部を兼部していました。

方や、部員が足りなくて、身体がおっきいやつという理由で勧誘して頂き、方や、メンバーが足りなくて、声がおっきそうなやつという理由でした。

 ボート部は、主に、朝から昼過ぎまでの活動が多く、軽音楽部は主に、夕方から夜の活動が多かったので、なんとなく、ともに5年生の引退まで続けました。最後は、考えられないダブルブッキングになって大変だったのですが、それは、また、別の機会にw

 で、ボーカルで入ったはずが、高い声がやっぱ出ないよね、ということで、何か楽器やることになり、ドラム、ベース、ギター、キーボードのメンバーはいたので、別のことをというリクエストにお応えして(?)、やったことのないサックスを選びました。バンドのリーダーが、サックスがいいんじゃないの?的な、のりだったと思います。

 予想に反して、バンド活動はストイックで、ライブハウスにオーディション受けて出るという活動を基本に、結構、まじめにやってました。「破産財団」と名付けられたバンドは、若干のメンバー変遷を経て、5年生の秋まで続き、内科かなんかの試験の前ぐらいだったかに、最後の解散ライブをして、終わりました。それ以後、サックスはほとんど吹くことはありませんでした。

というのも、楽器の構造上、ミュート(消音器)がないので、家で吹くのはとても無理で、といって、人気の無い夜の公園で吹くのも難しく、1人でスタジオを借りるのも気が引けて、何より、そんなヒマも医者になって以後、全くなくなったので、すっかり遠ざかっていました。

 

そんな中、軽音楽部の先輩で、私が入った時に伝説のドラマーとなっていた大須賀慶悟先生が、大阪医大の放射線科教授になられ、その身内の祝賀会があるからと連絡がありました。大変、おめでたい話で、これは行かなきゃと思ったのですが、日程を見ると、1ヶ月後の10月14日で、まぁ、日薬の学術大会もあるから…なんて、考えていると、間髪入れずに、別の先輩からメッセージが来て、2曲ぐらいやるからサックス吹いてくれないか、と。

 

補足すると「破産財団」は、メンバー同士が再び集まれない大人の事情があって(!)、浮いていた私を、先輩のバンドが誘って下さったのですが、StonesのBrown Sugarをやるので吹いてくれと。もう一曲は、C.C.RのHave you ever seen the rainで、こっちはボーカル屋って欲しいと。

 

いやいやいやいや。ちょっと、無理です、と。頼まれ事は試され事とか、講演ではしゃべってますが、そもそも、26年、吹いてないし、そもそもサックスもさびてるかも知れませんし…など、出来ない理由が色々出てきて。でも、一応、こっそり夜中にサックス取り出して、組み立てて吹いてみたんですけど、気兼ねして十分に吹かないから、音が出なくて、これはやっぱ、楽器、メンテしてなかったからじゃないかと。

 

で、先輩に「やっぱ、楽器が…」とメッセージしたら、「買えば?」と。いやいやいやいや、さすがにと思ってたら「電子サックスもあるやん」と。なるほど、と、単純な私は、その場でポチりました。

で、楽譜楽譜、と言ってると、予備校時代からの先輩の先生が、送ってくれました。

そのときに、26年経ったなぁと思ったのは、PDFでメッセンジャーのグループ経由で送られてきたことです。

昔は、コンビニでコピーしてたよなぁと。時代は進んでいることを、まざまざと。

 

で、はいはい、と見たら、当然っちゃぁ当然なのですが、サックスのパートがなくってw

しかも、Brown Sugarはソロがあるのですが、その譜面もない。ネットでそこはようやく見つけたのですが、バックで吹いているところの楽譜がない。

 

で、仕方がないから、何度も聞きながら、耳コピしたのですが、そのときに、昔はウォークマンやったよな、CDから録音したやつをきゅるきゅる言いながら巻き戻してたよな、と思いました。なんせ、今はiPhoneで、iTMSからダウンロードしたヤツでしたから。

 

でも、それなりに忙しい毎日、気だけ焦って、なかなか進まず、ステージに上がったら頭真っ白で吹けない、的な、昔よく見た夢まで見るようになって…。でも、先輩が、Garege Bandで作ってくれたドラムとベースのみのカラオケなんかを聴きながら、なんとか、前日までに電子サックスではかっこをつけたのです。ただ、サックスでは結局吹かずでした。

ホントは、前日にスタジオかカラオケボックスでも行って、音だけでも出しておこうかと思ったのですが、前々日は広島で、前日は大阪で講演だったので、それもかなわず。。。

 

結局、ぶっつけに近い形で、当日朝に、先輩が取って下さったスタジオに朝8時50分ごろに行きました。そこで、26年ぶりに(くどい)スタジオというモノに入りましたが、まぁ、懐かしい。こんなんやったなぁ、と。でも、驚いたのが、いわゆるスマホや機器をつないで、PAから鳴らしたり、CDRにLineからの音を録音したりできるなど、ハイテク化(とも言わないか)が当然のように整備されていました。

 

僕らの時は、ラジカセ持って行って鳴らしたり、録音機能付きのウォークマンで録音して、反省会してたよな、と。時代は便利になったものだと、痛感しました。で、そのスタジオに入って、吹いてみると、出た!音が出た!すごい!電子サックスで運指だけは練習してたので、なんとなくフレーズが吹けたので、そのまま、これで望むことにしました。

 

ただ、あまりにも緊張したのか、クーラーが寒かったのか、はたまた吹きすぎたのか、途中から心窩部痛が強くなり、先輩の先生に、ガスターいただきました。こんなにメンタル弱かったっけ。。。でも、本当に苦しくて、どうしようと思いましたが、5人も医者がいるから大丈夫ですね、と先輩に言うと、「お前も医者やろ」と軽く突っ込まれました。

僕は、ちょっとお昼ご飯は遠慮して、休憩させてもらって、いざ、会場に。

大須賀先生のご人徳もあってか、お店は超がつくほどの満員でした。そんななか、トップバッターで私たちの出番が来て、なんとか、2曲やり終えることができました。観客は内輪ですが、みなさん、お世辞半分(8割?)で良かったよ、と言って下さって、うれしかったです。純粋に。

ふと気がつくと、ベースは、大阪大学循環器内科教授の坂田先生、ドラムは山口大学整形外科教授の坂井先生という、なんとも豪華な。。。終わったあと、またちょっと胃が痛くなりましたが当然ですよね。頼まれ事は試され事、というのを改めて思いますが、そういえば、今年の目標の一つがサックス吹くことだったんです。かなえられてよかったです。

次回の課題曲が送られてきて、ちょっと震えてますw