これからは、この3つに力を注ごう
当社では、2ヶ月に一回、社員全体があつまる研修会を開催しています。その中では、外部から講師をお招きしたり、スタッフが業務内容に必要な情報を提供したりしています。
今回は、4月に新しく入社された新人薬剤師5名と、パートナー3名の研修成果発表と、私たちがもう20年近くに亘り扱っている大麦若葉に関する勉強会でした。まだまだ暑い夏の夕方でしたが、約100名のスタッフが、業務を終えて集まってくれました。
新人の発表は、どれも初々しく、心が洗われるようでしたが、1年目の薬剤師さんは、すでに服用後のフォローとアセスメント、医師へのフィードバックを始めており、頼もしい限りでしたし、パートナーさんは、医療現場での緊張感に挑んでおられ、頼もしい限りでした。
また、会の進行や、発表の司会を、当社のスタッフや若手薬剤師がやってくれましたが、みなてきぱきとしていましたし、発表の司会を務めてくれた山本薬剤師は、フロアからの質問の整理や、発表者へのフォローもきめ細かく、安心して見ていられました。
新人の発表のあと、大麦若葉の知識の整理と試飲会を開催したのち、最後、私からメッセージを伝えました。
1時間ほどかけるときもあるのですが、この日は、終わったあとに年に1度の納涼会を控えていることもあり、新人の発表に対する私の感想をフィードバックしました。
その後、2019年度も、上半期を終えようとしている今、2020年度調剤報酬改定対策という観点ではなく、2006年から伝えてきた「薬局3.0」の完成に向けて、私たちが取り組んでいきたいテーマを3つ伝えました。
1つめは、後発医薬品の適正使用についてです。もう、言い古された、そして聞き飽きたフレーズかも知れませんが、使用率がここまで高くなった今だからこそ、今までとはもう一段ギアを上げて取り組む必要があると思います。先般、長崎で開催された日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会では、使用率80%が見えてきた今、ジェネリックの方が標準ではないのかということで、会の名称変更についても言及があったと聞いています。そういった時代に、安全性や供給の担保など、薬局・薬剤師が取り組むテーマは、あると思います。一般的に使われるようになった時代に応じた薬剤師に活動を考えていきたいと伝えました。
2つめは、外来患者さんに対する、服用後のフォローを充実させることと、それに適応できるように、この半年ぐらい試行してきた「先服薬指導」体制を徹底していきたいということです。服用後のフォローをするためには、薬剤師の思考が患者の状態を薬学的に継続的に考える、対人的なものにシフトする必要があります。そのためにも、店頭で薬剤師が患者さんと話をするシチュエーションを、より効率的・効果的なものにする必要があります。先服薬指導は、それを達成するには最適なもので、そのためのパートナーの働き方を含めた業務フローの組み替えも必要です。外来患者数が少ないお店では可能になってきましたが、多くいらっしゃるお店でどうするかを考えていこうと伝えました。
3つめは、OTC薬です。昨今、様々なニュースが出るようになりましたが、財源確保の観点からも、医師の働き方改革の観点からも、薬剤師が軽微な疾患に対する対応、いわゆるプライマリ・ケア、セルフメディケーションに今まで以上に積極的に関わる必要性は高まっています。また、OTCに類似物質がある医療用医薬品の保険適用や還付率の調整など、患者さんが、経済的理由で薬局を受診しやすくするシステムも、おそらく、この数年でできあがっていくだろうと思います。ただ、一般に、タスクシフトは安全性の低下が懸念されます。それをカバーするためにも、OTC薬についても、投薬後のフォローと、アセスメント、必要に応じた医師へのフィードバックを行うことが重要です。登録販売者を取得したパートナーも増えてきましたが、薬剤師とパートナーが協力しながら、この体制を作っていきたいとお話しました。
こう見てくると、やはり大切なのは、薬剤師が患者をフォロー、アセスメントし、それらのコメントを含めて医師にフィードバックすることで、よいよい薬物治療を実現すること。そして、薬剤師がそういった活動を、肉体的にも頭脳的にも行えるような時間・気力・体力を、パートナーの全面的な協力を得ながら確保していくことです。
これらによって、「薬局3.0」実現を目指すことが、私たちが社是に掲げる「新しい医療環境の創造」につながるのだと改めて思いました。
終わったあとは、納涼会でした。ほとんどの方が引き続き参加され、大きなレストランが貸し切りの状態でした。
色々な声を聞き、元気をもらって帰りました。みんなに、感謝したいと思います。