インタビューを受けて思ったこと

先日、あるインタビュー取材を受けました。私どもの学会のことも取材に来ていただいていたり、私自身もご縁があって

何度か原稿を執筆させていただいたりしていましたが、インタビューは始めてでした。

 

いつもは、会社の事務所で取材や面会はすることが多いのですが、今回は、ちょっと時間が難しく

思温病院までお越しいただいて取材をお受けすることになりました。

 

取材に来られた2名の方はいずれもお話しやすい感じでした。つかみの質問は、取材にわざわざお越しいただいたことも

あってか、「この病院はいったいどういう経緯で…?」という内容でした。

あぁ、それは、と簡単に経緯をお話しはじめたのですが、聞きだし方がお上手というか、絶妙というか、

元来、しゃべりな私は途中から、黙ると死ぬんかという勢いで、がーっとしゃべっておりました。

 

ひとしきりお話したあと、その方がおっしゃいました。

 

「いやぁ。以前から色々とご活動や原稿などを拝見させていただいていましたが、薬局、薬剤師がんばれ!と

いうお医者さんかと思っていました。今日もそのつもりでうかがったのですが、実際は、かなり

医師としての立場が強くなっているのですねぇ。」と。

 

そう言われて、ふと、思いました。確かにそうかも知れません。

医師として過ごす時間は、10年ほど前には、全体の10%ぐらいになり、あとは

薬局の経営というか、雑事に没頭しつつ、なんとか埋もれないようにしたいとがんばってきました。

そんな時間が4ー5年はあったでしょうか。

なんとなく、在宅の薬物管理の問題は大きいなと思って試行錯誤をしていたら、同級生が

在宅療養支援診療所を開設することになり、そのお手伝いを始めたところから、医師の比率が少しずつ

増えてきました。

そして、この6年ほどは、先輩の先生の診療所で在宅訪問診療を手伝ったり、施設系在宅の

クリニックでの仕事が増えたりしてきました。

ここで薬剤師と一緒に仕事をしてきたことが、薬局や薬剤師はこうあった方がいいんじゃないかという

ことを考えるきっかけになってきたように思います。

そして、昨年6月からは、病院の勤務を再開し、8月からは在宅療養支援診療所を離れて病院での勤務をメインに。

バタバタありましたが、なんとか、方向性も見えてきました。

 

ちなみに、当院の機能は3つ。

1)地域の方々に医療をきちんと提供する外来機能、入院機能、そして、2次救急機能。

2)地域の基幹病院、高次機能病院の直接退院が難しい方や医療療養が必要な方のバックベッドとしての機能。

3)高齢者介護施設の入所者様の訪問診療と医療ニーズが高まった時の後方支援機能。

 

これは、どこかに書いてあったというより、私自身が、若かった頃の急性期病院での勤務や、在宅療養支援診療所の経験と、

薬局で在宅療養支援に取り組んできたことに加え、病院での勤務をしていくなかで、こういう機能がいるんじゃないかと

思ったものをまとめたものです。

 

そして、そこに、医師と薬剤師で連携した内容を噛ませてみたいと思ってきましたが、1年ほどかかりましたが、何とか

始められそうです。

 

常に現場に密着して、問題を体感して、そして、色々と考えてまずはやってみる。

そういうのは、結局この10年来、やってきたことと同じスタンスなんだなぁと。

正直、それほど色々と考えて受けたインタビューではなかったのですが、

私にとっては、大きな気づきをいただくきっかけになりました。

 

10月号の医薬ジャーナル。私も楽しみです。