「かかりつけ」となる覚悟はあるか

実は、某サイトのブログに書こうかと思いましたが、ちょっと、さすがに過激かな、ということで、

こっちにしました。こう見えて、臆病なんですw

 

話題になってますよね、かかりつけ。勤務表を患者に渡す。どうなんだ、と。

若い女性も多いのに、とか。

また、指名ってキャバクラか、と。

何があっても、24時間対応ってブラックかと。

 

いろんなこと、言いたくなる気持ちわかります。

 

でもね。患者さんにとって「かかりつけ」って、何かあったときに、特に、困ったことがあったときに

ぱっと頭に顔と名前が思い浮かぶことなんだと思うのです。

私は、そういえば、10年来「かかりつけ」にしている

車の整備士さんがいます。

 

いつもは、あんまり関係がありません。

でも、

「あ、警告ランプついた!」

「わ、パンクした!」

「お、なんだこれ!?」

「う、この音は?」

「車検。。。」といった時には、車を運転していても、

していなくても、名前と声と、しゃべり方と、顔が

瞬時に思い浮かびます。

 

いつでも、連絡してくださいよ、と言われます。

でも、電話したときや、お店に直接行っても、いらっしゃらないことがあります。

そりゃ、そうですよね。万が一、事故を起こした時で、緊急を要するものだと、保険会社にかけますし

夜中の故障でお店が閉まっていたら、JAFに頼む時もありますよね。

 

でも、月曜日休みで、基本は、10−19時はいらっしゃることは知っています。

急ぎでもないのに、夜10時に「オイル交換!」と電話したりしませんよね。だって、ずっとおつきあいもしますし。

 

医者としてはどうなんだろうと、思いました。

 

勤務表渡していませんが、だいたい、院内に掲示して

いますよね。

開業医さんだったら、診療曜日と時間帯が必ず

書いてあります。

だって、そうしないと、その先生にあえるかどうか

わかりませんから。

 

もちろん、女性もそうです。若い女医さんも、

必ず、担当医表に出ています。

最近ではネットにも載っていますよね。

紙にして渡すことはしていませんが、こうしないと、

患者さんが、困ってしまうからです。

 

もちろん、こうやって掲げている以上、ストーカーまがいのことが起こったり、トラブルとなるような訪問が

ないわけではありません。ってか、あります。

それで、患者さんに刺されたり、場合によっては、けがをしたり、命を失った例も、ニュースで報道されているのは

私たちも知っている通りです。

 

だから、この表を隠して、誰がいるかわからないようにして…とはしません。

だって、患者さんは、医師を頼って来てくれるからです。それに伴う、何かネガティブなことはあるかも知れません。

それは、リスクと言えばリスクでしょうが、それは、負うべき責任であり、耐えるべきプレッシャーなんだと

思っているのかも知れません。

 

もし、薬を渡すだけの対物的な仕事であれば、別に、勤務表もいらなければ、名前を覚えてもらう必要もありません。

だって、情報はインターネットでわかるし、いずれ、何割かの薬はドローンが運ぶようになるのかも知れません。

 

でも、渡したいのは薬ではなく、健康であり、薬が体に入るまでが仕事ではなく、入ってからが勝負だと

考えるのであるならば、いつでも連絡が付くようにしておかないとダメですよね。

だからといって、夜中の3時に、便秘薬1錠足りないの…って電話はかかってきませんし、もし、かかってきたとしても

電話で対応すればいいだけですし、毎日あるとは到底思えません。

また、本当に緊急なら、119番すれば、救急隊が遅くとも7−8分でやってきてくれるわけです。良い国ですよね。

 

薬剤師が、この40年の医薬分業時代を糧に、どう開花するかという時期ですが、

これは、もう、覚悟を決めるしかない。

自分は、そういう仕事を選んだんだと。やりがいも、社会的評価も、人一倍。

でも、それに伴う責任や、負担や、プレッシャーも人一倍。

その覚悟は、ありますか?ということが、問われているんじゃないですかね。

 

ふと、nobless obliegeという言葉が頭に浮かびました。

 

え、そんな責任を負うほど、給料もらってないって!?

うーん。それは、順番、逆なんじゃないですかね〜。

 

 

ね、ブラックすぎて、あっちのブログには載せられないでしょ。。。

 

 

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コメント: 2
  • #1

     .. (火曜日, 15 3月 2016 23:27)

    >夜中の3時に、便秘薬1錠足りないの…って電話はかかってきませんし、もし、かかってきたとしても
    >電話で対応すればいいだけですし、毎日あるとは到底思えません。

    この部分の根拠となる客観的な資料・データの提示をお願いします
    厚労省は「一人あたり月100件かかりつけ算定」を多くの調剤薬局に課しています
    週2回通院の患者と契約するとして最低50名の個人電話対応をする必要があるのです 契約書も用意されているので逃げられません
    「自己負担してまでかかりつけ薬剤師を必要とする患者50名」が「24時間365日電話できる相手」を持つということの恐ろしさは医師のあなたなら想像できるでしょう
    「金を払ったのだから使い倒す」「お客様は神様である」という考えの人間はこの世界には数えきれないほど居ます

    あなたは調剤薬局を経営しているそうですが、やはり従業員にもこの狂った制度を強制するのですか? 「ノブレス・オブリージュ」とやらを掲げて
    で、全てを犠牲にしたところで調剤報酬の大幅引き下げによる待遇悪化でしょ

    歪な方針を作り、解決策は精神論
    昔日本が竹槍で戦闘機を落とそうとしたことを思い出しますね
    「覚悟」「医療者」「ノブレス・オブリージュ」って便利な言葉ですね~~

  • #2

    狭間研至 (水曜日, 16 3月 2016 15:42)

    コメントありがとうございます。
    まず、今回の内容で、ご不快になられたことにお詫びします。

    かかりつけという制度ではありませんが、
    ご存じのように、すでに現行制度の中で、
    医師は、在宅時医学総合管理、薬剤師は、居宅療養管理指導という形で
    患者さんと重要事項説明書を交わして
    24時間、電話を対応し、何かがあれば駆けつけることを含めて、何らかの
    対応をするという形態がすでにあります。

    私自身は、過去7年ほど、時期によって差はありますが
    150−200名程度の患者さんをこの仕組みで担当してきましたし
    弊社では、過去4年ほど、当初は100名前後、現在では1500名を超える
    患者さんの担当を薬剤師が行ってきました。

    その中で、いろいろな電話がかかってきますが
    それは、基本的には、平日、休日を問わずに、午前中から遅くとも夜7−8時ぐらいが
    ほとんどです。遅いものでは、10時とか11時ということはありますが
    それ以後となると、ほとんどありません。おそらく、両手に余るぐらいでした。
    私の経験でも、薬局の経験でも。

    内容の多くは、電話での応対で可能なモノがほとんどですが
    中には、実際に、患者さんの自宅や施設に駆けつけなくてはならないものが
    ありますが、これは、2−3例しかありません。
    データと言うほどではありませんが、こんな感じです。

    しかも、これは、来いと言われて行くのではなく、
    私や弊社の薬剤師のところに、患者さんは困って電話してこられるわけで
    「もう、行く行く!行くわ!」という状態で
    車やタクシーを走らせることがほとんどです。

    家族との会食の途中のこともありますし、若い薬剤師だと
    デートの途中もあるでしょう。

    でも、僕たちが、出かけていくのはなぜなのかと思うと、
    やっぱり、患者さんが困っているからだと思うのです。

    じゃぁ、家族はどうなるんだ、自分自身の自由な時間はどうなるんだ
    と言われるかも知れません。

    もちろん、迷惑をかけていると思います。私自身も、
    若かりし頃、今のかみさんとの中華料理の途中に電話がかかってきて、
    コース料理を一気に出してもらって10分で食べて出てきたこともあります。

    確かに、狂っているかも知れません。
    いえ、見ようによっては、狂っているでしょう。僕も、免許をとって、この仕事していなければ
    そう思ったかも知れません。

    でも、なぜか、行ってしまうんですよね。
    むしろ、全く電話もなく、翌朝や連休明けに、
    「○○さん、こんなことがありましたよ!」と言われて愕然とする方が怖い、というか、
    ちょっと寂しいのです。

    この感覚、何なのでしょうか。
    それは、nobless obligeとも言うべきものかも知れませんね。
    確かにおっしゃるように、便利な言葉ではあります。。。

    貴重なご意見ありがとうございました。